酒場〜Dandyism Mellow〜


アカペーン:
うむ。

手抜きマスター:
ふむ。

アカペーン:
もう夏になるな。

手抜きマスター:
ついこないだまで「もう春だな。」
って言ってなかったか?

アカペーン:
いや知らん。

手抜きマスター:
そうか。

アカペーン:
気のせいだ。

手抜きマスター:
そうか。
所でそこは「いや知らん。気のせいだ」
て一つにまとめて言った方が良いんじゃないだろうか。

アカペーン:
マジか。

手抜きマスター:
マジだ。

アカペーン:
そうか。

手抜きマスター:
そうだ。

アカペーン:
なんでだ。

手抜きマスター:
テンポがよくなるだろう。
会話のテンポが。

アカペーン:
マジか。

手抜きマスター:
マジだ。

アカペーン:
そうか。

手抜きマスター:
そうだ。

アカペーン:
確かに今のこの会話は
非常にテンポがよろしくないな。

手抜きマスター:
そうだ。宜しくないぞ。
具体的にはお前が「マジか」と「そうか」を使って
無駄に発言量を多くしているからだ。

アカペーン:
流石にマスターは分析が早いな。

手抜きマスター:
というわけでもっと会話のテンポをよくしろ。
言いたい事があるなら一つの発言にまとめて言え。

アカペーン:
マジか。

手抜きマスター:
マジだ。

アカペーン:
そうか。

手抜きマスター:
そうだ。

アカペーン:
うむ。

手抜きマスター:
ふむ。
いい加減にしろ。

アカペーン:
な、…(ぇ

手抜きマスター:
発言の中にかっこ文字を入れるのも
あまり好ましくない。

アカペーン:
マジか。じゃあこれからはもう使わないよ。

手抜きマスター:
うむ。そうやってスマートに
過ちを認めるのだ。

アカペーン:
スマートな過ちの認め方って、
どういう認め方なんだ。

手抜きマスター:
過ちに気付いてから
三秒以内にその過ちを認める事だ。

アカペーン:
つまりさっきの「マジか。じゃあこれからはもう使わないよ。」という俺の発言は過ちに気付いてから三秒以内に発した発言という事になるのか。

手抜きマスター:
そういう事になるな。

アカペーン:
そもそもこれは過ちだったのか。

手抜きマスター:
ああ。お前は過ちを犯したのだ。
しかしすぐに自分の過ちに気が付いた事で、
お前はまた一つ大人の階段を昇ったんだよ。

アカペーン:
マジか。

手抜きマスター:
マジだ。

アカペーン:
そうか。

手抜きマスター:
そうだ。

アカペーン:
一体俺がどんな過ちを犯したと言うんだ。
というか何の話をしてたんだっけ?

手抜きマスター:
………。

アカペーン:
なんだその顔は。

手抜きマスター:
まあこれ以上お前のくだらない茶番につき合っているほど俺も暇な男ではない。

アカペーン:
なんだいきなり。

手抜きマスター:
いやしかし暇だな。

アカペーン:
暇な男ではないんじゃなかったのか。

手抜きマスター:
さっきからずっと表情が固定されているな。

アカペーン:
気が付いたらそうなっているな。

手抜きマスター:
気が付いたんなら変えろよ。

アカペーン:
そうだな…。

手抜きマスター:
なんで汗をかいているんだ。

アカペーン:
いや暑くて…。

手抜きマスター:
そういえばもう夏になるな。

アカペーン:
話題が元に戻ったな。
というか何の会話をしてたんだっけ?

手抜きマスター:
もはや俺にもわからん。

アカペーン:
つーかマジで暑い。
この酒場冷房ないのか。

手抜きマスター:
すまんが六月になるまでずっと入れない。

アカペーン:
なんだと

アカペーン:
なんでだ!1!!!!!!!11!!!!

手抜きマスター:
うちは冷房入れない主義なのだ。

アカペーン:
なんでだ!1!!!!!!!11!!!!

手抜きマスター:
俺はエコロジストなのだ。

アカペーン:
なるほど。

手抜きマスター:
そうだ。お前も酒場でニートしてないで、
環境に配慮して温暖化を食い止める為の慈善努力をしろ。

アカペーン:
「ニートする」ってなんだ。
どういう言葉だよ。

手抜きマスター:
お前の現状をそのまま表現する為に生み出した新たなる造語だ。

アカペーン:
新たなる造語なのか。

手抜きマスター:
新たなる造語だ。

アカペーン:
マジか。

手抜きマスター:
マジだ。

アカペーン:
そうか。

手抜きマスター:
そうだ。

アカペーン:
うむ。

手抜きマスター:
ふむ。
いい加減にしろ。

アカペーン:
な、…(ぇ



戻る